救命事例

● 小児救急に対する苦手意識克服への取り組みとPEARSコース New!
● よしか・夢・花 マラソン救命事例報告2 New!
● 幼児への Heimlich method (窒息の解除)
● よしか夢花マラソンでの救命事例
● マラソン大会での救命事例
● スポーツジムでの人命救助(救命の連鎖)
● 介護施設職員による窒息の解除
● 心肺蘇生で知人の命を救う
● 診察中の患者が心肺停止、その場の医師が心肺蘇生を施す
● ビニールを気道に詰まらせた乳児を救助
● 最新ガイドラインの重要性を体感
● パンを喉に詰まらせた子供にとっさの対処
● マラソン大会中に心停止したランナーを救助
● BLS/ACLS受講直後の医師による心肺蘇生

小児救急に対する苦手意識克服への取り組みとPEARSコース

安来市消防本部 野津大介


※「プレホスピタルケア」第30巻第3号(通巻139号)東京法令出版蠅侶悩楜事を提供していただきました。


記事全文はこちらからご覧いただけます。

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よしか・夢・花 マラソン救命事例報告2

 2017年4月30日。今年で6年目になります「救護班」の出動です。


 六日市病院の職員とNPO法人六日市ECC協会の会員、総勢22名がコースの6か所の救護所にわかれ、ランナーの救急事態に備えました。


 今年は、いい天候となり、ランナーの体調が朝のミーティングの時から心配でした。


 案の定、CPA(心肺停止)が10キロ付近で発生しました。しかし適切な胸骨圧迫とAEDの使用そして救急搬送により助けることが出来ました。念のためドクヘリで三次救急指定病院に転送することになりました。(救命の連鎖が上手く働きました)


 昨年「ハートセイバーCPRAEDコース」を受講した六日市中学校教員と六日市学園教師が今回の心肺蘇生に関わりあい、大切な命を助けることができました。


 我々が救護班として参加してから6年間で3度目のCPAでしたが、全て助けることが出来ています。


 この結果は、NPO法人六日市ECC協会や六日市病院の心肺蘇生教育の成果です。


 今年で6年目になる町内中学生(教員も含む)に対してのハートセイバーCPRAEDコースの受講も継続していく必要がありますし、重要性が増してきました。


 このマラソン大会だけではなく、心肺停止になった方に対して即座に躊躇せずに心肺蘇生ができるような素晴らしい町づくりを目指して今後も活動していきます。


 ※ よしか夢マラソン報告、新聞記事はこちらからご覧いただけます。

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幼児への Heimlich method (窒息の解除)

 Heimlich

 (2000.12.16大学の同期会のMLに掲載した文章を改変)


 みなさん救急でHeimlich methodをしたことがありますか?


 昨日、銀行に行っているときに、はじめて経験しました。


 患者はうちの娘です。

 アメをなめていて、誤嚥してしまったのです。

 かぜをひいていて鼻がつまっていて、口呼吸をしていたために吸い込みやすかったようです。


 息を吸い込んで呼吸が止まり、一瞬しゃっくりかなと思ったら、次の呼吸が出ませんでした。

 みるみる顔が赤くなり、苦悶表情となり気道に詰まったことがわかりました。Cyanosisがあるかどうかとか病態を考える猶予のある状態ではなく、覚知の段階でgolden timeのcount downがすでに始まっている切羽詰まった状態でした。


 最初は喉に詰まらせただけかと思い、のどに指を入れて咽頭反射をさせましたが、反射は出ても、まったく呼気が出ないのであせったわけです。12-13mm*7-8mm大のアメです。2歳になったばかりの体重が10Kgの女児ですから、喉頭を指で探るとかえって押し込んで嵌頓してしまうと思い、これはもうHeimlichしかないと思いました。


 僕もHeimlichの実践経験がありませんでしたし、ましてや幼児にどの程度の力でしていいのかは皆目見当がつきません。どうすべきか迷いましたが、躊躇していてはhypoxiaになってしまうだけに、やるしかない状況でした。


 でも一瞬ですが、愚かなことに救急車を呼ぶことも考えてしまいました。救急病院は直線距離で500M程の距離。救急車を呼んで、到着、それから搬送すると、最低でも20分はかかる。家内に運転させて、自分で病院へ搬入しても10分はかかるだろう。その間処置をしなければhypoxiaでbrain damageは残る。今すぐにこの場で処置をしなければならないことは焦る気持の中で論理的に理解しました。

 わが子が手を差しのべて助けを乞う瞳を見つめて、助けられるだろうかという不安がよぎりながらも、すぐに日和ってはだめだと自分を奮い立せ覚悟を決めました。これは一発で決めなければ、もしかしたら娘を失うことになりかねないと「一世一代」の覚悟でした。


 助けを乞う娘を抱きしめたいと思いながらも後ろ向きにさせ、肋骨を折らない程度に一瞬で押さなければと考えました。なるべく横隔膜の近くで圧迫した方が陽圧が大きいかなと考え、神様に祈りながら一瞬だけ力を込めました。Overshoot!それと同時に小さなアメが娘の小さな口から飛び出し、テーブルの灰皿の中にカランコロン音を立て出てきました。


 娘は僕ではなく、家内に大きな声で「ママ」と抱きつき、しばらくの間泣きじゃくりました。たまに僕の方を恨めしそうにちらっと見ていました。がママの胸に顔を押し当てました。その表情はHeimlichで一瞬苦しくさせられたことを恨んでいるようでした。

 僕はその非難するような表情を見ながら、おまえを助けるためにはそうせざるを得なかったんだよ。心の中でそう語りかけました。


 僕もしばしの間放心状態でした。

 ほんの一瞬のことでしたが、たぶん1-2分下手すると一分もかかっていなかったかもしれません。でも、とてつもなく長く感じました。

 スローモーションで時が経過しているようにも感じました。


 家内はこのようなことがないように、おやつには棒付きのペコちゃんキャンディーしかあげていませんでした。たまたま銀行の待合いにおいてあった、アメをあげてしまった僕が悪いのです。かけがいのない娘の命を危うく失うところでした。


 家内も一部始終を見ていたので、娘の苦悶表情と僕の逼迫した表情を見て、

 あの表情は脳裏にこびりついて離れないと言っていました。


 そういえば学生の時の小児科の講義で、幼児にはピーナッツ摂取は禁忌と習い

 ましたよね。(あれは柳沢教授でしたか?)

 出てきたアメはまさしく形も大きさもピーナッツ大になっていました。


 事なきを得てよかったとは思いますが、みなさんも小さなお子さん、特に冬の間はアメやピーナッツを与えないように注意して下さい。



 ※ 原題:死ぬかと思った2 Dr.Nishinon & the Family より、ご本人の許可を得て転載。

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よしか夢花マラソンでの救命事例

 平成24年4月29日に開催された「よしか夢花マラソン」において、スタート1.9キロ地点で発生した心肺停止ランナーの救護にあたり、「大会救護班」として依頼を受け、救急処置を適切に行った「NPO法人六日市ECC協会」(代表:理事長谷浦博之)と、ランナーとして参加し、初動から心肺蘇生に携わった、六日市病院事務部の岩本浩見さんに、吉賀町長から感謝状の授与がありました。(6月14日)

 

 マラソンは毎年開催される吉賀町の大イベントの一つで、今年は町内外より1700名が参加しました。(ハーフ、10キロ、5キロ、2キロの各コースがあります)

 今年はNPO法人六日市ECC協会の心肺蘇生のプロのインストラクター8名(六日市病院医師・看護師、分遣所救急救命士)がAED等の器材を持ち、5か所に待機しました。

 その待機場所1か所の手前200メートル地点において、5キロコース参加の60歳代の男性が倒れました。外傷によるものではなく、心停止(後日解析によると、脱水が原因による「心室細動」でした)によるものでした。

 最初に駆け付けたのは、救護班の杉原救急救命士と、ランナーとして参加していた岩本浩見さんでした。明らかに呼吸はしていない(あえぎ呼吸でした)ので、2人法によるBLSを即座に開始しました。「30:2」を繰り返し行い、救護班の山根看護師がパッドを装着し、AEDが解析をするまでCPR(2人法)を続けました。AEDの「ショックが必要です!」のアナウンスがありました。ショックボタンを押して「ショック(1回目)」。再びCPRを始め、2回目のショックをAEDが要求。ショックボタンを押し「ショック(2回目)」。再びCPRを始めたころに、目が空き、意識レベルが上がりました。「大丈夫ですか。わかりますか。」そこに救急車が到着。


 AEDを後日解析してみると、心電図は2回目のショックの後のCPRの時に正常心電に戻っておりました。

 六日市病院が取り組んでいる心肺蘇生法の教育は、谷浦病院長が10年前から行っております。このような形で、吉賀町の一大行事においてその成果を発揮できたことは大変嬉しく思います。


 今後も、日本ACLS協会のコース受講をツールとし、いざというときに「人の命を救える」ように訓練していきたいと思います。ありがとうございました。


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マラソン大会での救命事例

 11月28日、山梨県南都留郡で開催されたマラソン大会でのこと。

 スタートから十数キロの地点で胸骨圧迫を施行されているランナーを発見しました。ランナーにはすでにAEDがとりつけられており1回目の除細動を施行したとのことで、すでに約7分が経過しておりました。そのランナーの顔色はチアノーゼが著明で、低酸素状態が継続していると判断し人工呼吸を開始しました。2回目のショック時にあえぎ、下顎呼吸を認めましたが循環のサインがなく胸骨圧迫30回+人工呼吸2回の心肺蘇生を継続しました。3回目のショックののちにポケットマスクが到着し蘇生を継続し、4回目のリズム解析時にはショック不適応で、大腿動脈と橈骨動脈で脈拍触知可能となり自己心拍の再開を認めました。自発呼吸も認めましたが、あえぎ呼吸であり換気のみの補助を行い救急車の到着を待ちました。

 救急車内に収容した時には深昏睡でしたが、病院に到着時は刺激に対し、反応を認めたとのことでした。


 ACLS,BLSプロバイダーが到着した時にはすでに2名の医師がおり迅速にAED+胸骨圧迫の蘇生が開始されていたようでした。チアノーゼが著明であったのはマラソン中という酸素需要が非活動時よりも著明に増加していた特殊要因が考えられ、心筋の酸素も早期に枯渇していたと考えられました。このようなケースでは胸骨圧迫のみでは蘇生は困難だったかと考えられました。hands only CPRの普及の功罪を感じました。

 現場には約5名の医師が立ち会っていましたが、胸骨圧迫中に脈拍触知を行ったり、あえぎ、努力呼吸が異常な呼吸であるという認識がなかったり、胸骨圧迫のリズムが遅かったり、救急車収容前にAEDの電源を切ろうとしたり、パッドをはがそうとしたり、まだまだ心肺蘇生と、AEDの普及、啓蒙が必要と痛感させられました。


 その後、御本人より後遺症なく退院が決まったとの連絡があり、非常にうれしく思いました。

 途切れることのない救命の連鎖が、自己心拍再開‐社会復帰と良好な結果につながったと実感しました。


 この事例を通して、BLS、ACLSプロバイダー、インストラクターとしての活動の重要性を改めて認識するとともに今後もますます活動に励んでいきたいと思いました。

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スポーツジムでの人命救助(救命の連鎖)

 三重トレーニングサイトで現在BLSインストラクターを目指している方がAED、CPRを実施し、救命に成功した事例です。


 スポーツジムでの出来事でした。60歳代の男性が気分不良を訴え休憩していたところ、更衣室にて嘔吐し、そのまま倒れ込み意識不明の状態になりました。

 ジムのスタッフが119コール、AEDを要請。たまたまスタジオに居合わせた当協会でインストラクターを目指している方が『看護師さんは、いませんか』の呼びかけに気が付き、現場に直行したところAEDが到着し、もう1名いた看護師と周りに指示を出しながらCPR,AEDを実施しました。その後微弱呼吸、むせ込みが見られましたが、脈もわかりにくくなり、再度CPRを開始。胸骨圧迫30回を2サイクルくらいしたときに救急隊が到着し処置を引き継ぎその方達の救助は終了しました。その後三重大学医学部附属病院に搬送されましたが男性は到着前に意識が戻ったそうです。AMI(急性心筋梗塞)でした。


以下は今回救命を行った方から寄せられた感想です。

 BLSを学んでいたことで、次は何が必要なのか周りの協力は得られていて何か出来ることはないかなど、CPRをしながら考えることができました。また今回はスポーツジムスタッフの迅速な行動、周りの協力があったことがさらに救命率をよくしたのではないかと思いました。

 なお、今回救急隊員も三重トレーニングサイトのインストラクターである方が処置にあたり、受入れ医師も同サイトのインストラクターの方でした。

 私は現在BLSインストラクターを目指し勉強中ですが、この成果もサイト長をはじめ、LI、インストラクターの方々のご指導があったからこそと感謝しています。なお、連絡を受けてかけつけてくださった三重トレーニングサイト長の先生より励ましの言葉をいただき、さらに自信がつきました。インストラクターになって今後も頑張りたいと思いました。

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介護施設職員による窒息の解除

 介護施設で86歳の男性が食べ物をのどに詰まらせましたが、救急隊が駆けつけた時には、既に施設職員がハイムリック法(喉を詰まらせた患者への救護方法)で異物除去。患者の意識を回復させる事ができました。

 患者の男性は、ここ2,3日の間不穏が続いていて、この日は妻に連れられてデールームに車椅子で出ていました。その後、しばらくして夫の様子がおかしいことに妻が気づき、近くにいた職員が呼ばれて駆けつけると、患者さんは息苦しそうに車椅子の背もたれにエビ反りになっていたようです。

その職員は、患者さんの左手にあった夏みかんが無くなっていることにすぐに気づき、気管内異物と判断。はじめは、慌ててとっさに背部叩打を3回したようでしたが、その後他の職員を呼んで患者さんを両脇で抱えてもらいハイムリック法を試みたようです。ハイムリック法を何回か繰り返した後に夏みかんは除去され、それと同時に患者さんのチアノーゼもみるみるうちに改善していったとのことです。


 患者を救った施設職員は、六日市ECCトレーニングサイトでBLSコースを受けた方でした。

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心肺蘇生で知人の命を救う

 出雲市内公民館で55歳男性が卓球の練習中、ピンポン玉を拾おうとした際にCPA(院外心肺機能停止)となり、救急要請されましたが、同じ卓球同好会のメンバーの島根大学医学部の学生が、的確な胸骨圧迫を行い患者の意識が回復しました。患者の男性は、後遺症もほとんどなく完全社会復帰されるようです。


 救助を行った医学生は、「まさか、自分の目の前で知り合いの人が倒れて、CPAになるなんて夢にも思いませんでした。多少慌てましたが、落ち着いて行動しました。BLSHCPで胸骨圧迫が非常に重要と教えていただきましたのでとにかく胸骨圧迫だけはしっかり行いました。BLSHCPを受講していなければ、あれほど落ち着いて行うことができなかったと思います。患者さんが社会復帰されると聞いてわたしも本当に嬉しいです。」と、命を救えた事に喜びを語りました。


 救急隊現着時、仰臥位で医学生により胸骨圧迫がなされていたとのこと。救急隊が観察し、下顎呼吸でCPAを確認しCPRを開始、波形はVFでショック1回実施、IV確保し、薬剤投与し心拍再開、呼吸は不規則であったので人工呼吸を継続し病院に搬送したとの事でした。

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診察中の患者が心肺停止、その場の医師が心肺蘇生を施す

 医師が診察中の70代女性に、「次回外来日はいつにしましょうか?」と話しかけた所、反応なし。診察室の椅子に座っていましたが、まもなく崩れ落ちるように後に倒れ始めました。いつもACLS協会のコースでシナリオ設定しているような場面が現実に起こりました。

 医師は倒れる前に背中を抱きかかえ、診察室内にいた、事務員にへルプコールを依頼。女性を床に寝かせて胸骨圧迫を開始しました。スタッフはストレッチャーに乗せましょうと言いましたが、そのまま現場でCPR続行を告げ、バッグマスクとモニター付き除細動器を診察室に持ってくるよう伝えました。反応消失から約1分後、明らかな自発呼吸出現したため、胸骨圧迫を中止し頸動脈で脈拍触知を確認。自発呼吸あり、反応なしでした。届いたモニター付き除細動器で正常洞調律を確認後、ストレッチャーに乗せ、内科処置室へ移動。移動中に意識回復し、発語が出始めました。検査後、本人、呼び出したご家族に説明、入院としました。


 心肺蘇生を施した医師は「10数年で初めての体験でした。最もうれしかった事は、神経症状残存が無いことです。突然の意識消失に出会った時の、行うべき処置が当たり前のように出来たことで、AHA活動をしていて良かったと改めて思った次第です。」と語りました。

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ビニールを気道に詰まらせた乳児を救助

  重篤な窒息状態でかすかに泣き声が聞こえる程度の、ビニールの破片を飲み込んでしまった8ヶ月の女児が母親に抱かれて連れられてきました。母親から女児を受け取り、近くに居た医師を呼び口腔内確認、吸引するが異物確認できませんでした。

 医師は喉頭展開し異物の確認をしましたが、やはり異物は確認出来ず、他の医師の「(背中を)叩きましょうか!」の一言 で背部叩打を実施しました。5回背部叩打後チアノーゼ進行ありましたが、狭窄音は聴取できたため人工呼吸を行い再度背部叩打を実施。その直後、乳児は大きな声で泣き始めましたが、異物の確認は出来ませんでした。直後の呼吸音は左右差無しで良好、チアノーゼも見る見るうちに改善しました。

 その後、コールで呼ばれた小児科医師、耳鼻科医師により喉頭ファイ バーなどで診察・諸検査実施しましたが異物は確認出来無いままではありましたが異常は確認されませんでした。後の検査で異物を除去でき、原因はビニール袋はおせんべいの袋(硬い素材)の端のところでした。


  医師は、「BLSコースで、乳児の窒息のシナリオで「救急外来の受付に赤ちゃんを抱いたお母さんが様子がおかしいと言って掛け込んで来ました、チアノーゼでヒューヒュー言っています」と言っている自分が実際にその場面に遭遇するとは思っていませんでした。」と語り、改めてBLSコースの重要性を感じていました。

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最新ガイドラインの重要性を体感

 拡張型心筋症による心不全が疑われ、緊急入院となった50歳代の男性が、エルゴメーター(自転車)での検査時で、開始3分後に非持続性の心室頻拍から持続性心室頻拍となり、その後まもなく心室細動となりました。

 循環器医師が自転車上で意識消失している患者の胸を胸骨叩打しましたが、細動停止となりませんでした。医師二人で患者をソファに寝かせ、CPR試行、心臓マッサージを行うと意識がもどり問いかけにうなずきましたが、心臓マッサージを継続(ガイドライン2005では大事)。

 AEDのパッドをはり、解析を開始するまで、心臓マッサージは継続していましたが、心臓マッサージをやめると頭への血流途絶え、けいれん出現しました。波形でVF確認し、AEDもショックを試みました。「離れてください」のアナウンスに従い、ショックを行いました。ショック直後、すぐさま心臓マッサージを再開しましたが(ガイドライン2005の手順)、他のスタッフはガイドライン2000に従いAEDの音声に従い脈は触れず、偽性PEAの状態でした。

 ショック直後は心臓マッサージというガイドライン2005の重要性を感じつつ、心臓マッサージをしばらく行うと呼吸、体動が出現したので心臓マッサージを停止。患者は呼びかけに反応するようになりました。

 患者の男性は元気になり、脳障害も残らず、肋骨、胸骨の痛みないとの事です。


医師は「最新のガイドラインの重要性を感じた」と語りました。

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パンを喉に詰まらせた子供にとっさの対処

 BLSコースでインストラクターをするために、たまたま家でDVDで予習をしていた時、偶然、家内(医療従事者ではありません)も乳児のFBAO(気道に異物が詰まった状態のこと)のところを一緒に見ることになりました。その時、ついでに家内には簡単に「FBAOの症状」「頭を下に傾けること」「DVDのように背中を思いっきり(咳を出すように)たたくこと、そのあと胸を押すこと」「口の中に指を入れないこと」を言っておいたのでした。

 その約2〜3週間後の昼間、当時7ヶ月の娘に家内がパンを食べさせていたときに娘が急に顔を真っ赤にして声を出さずにもがきだしたのです。家内はとっさにFBAOであることを認識して、一瞬、口に手を入れるか救急車を呼ぶか迷ったみたいですが、そこで僕の言葉を思い出してくれたのか、娘の体を下に向けて背中を一撃したところ、口の中から親指大のパンがポロッと出てきたのでした。その瞬間、娘は「ぎゃー」と泣き出しました。

 家内には「教えてくれていたおかげで冷静に対処できた」と感謝されました。

 自分としてもBLSのインストラクターでよかったと思う瞬間でした。その後、家内がAHAコースに理解を示してくれるようになったのは、言うまでもありません。

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マラソン大会中に心停止したランナーを救助

 熊本県上天草市で開催されたマラソン大会で、スタートから1kmの地点で急にうずくまり、意識を失った70歳男性を、2名のランナー兼救護ボランティアとして参加していた方が発見。1名はすぐさま人工呼吸と胸骨圧迫を開始。もう1名は携帯電話で仲間のスタッフを呼び、救急隊が到着するまで、交代で心肺蘇生を行いました。

 患者の男性は、病院に搬送後に意識を回復。急性冠症候群による心停止と診断されましたが、目立った後遺症がありませんでした。


 救助を行った二名は、マラソン大会の一月前にBLSの講習を受けたばかりでした。「マラソン大会に去年も参加したが、BLSの講習を受けていなければ冷静に対応できなかった。本当によかった」と救護した方は語りました。また、患者を診察した医師も「現場での迅速な手当てが功を奏した。BLSの講習を早くも活かせた。」と、救護した方をたたえていました。

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BLS/ACLS受講直後の医師による心肺蘇生

 BLS/ACLS受講直後の医師が、他の医師が診察中に突然倒れ心肺停止状態になった患者を救いました。

 患者の命を救った医師によると、院内に「ドクターハート(救急コール)」が鳴り響き、現場に駆けつけるとフロアーに男性が倒れており、すでに医師、看護師による蘇生が行われている状態。AED装着を装着し解析にて「除細動が必要」のメッセージにしたがい除細動ボタンを押し、ショック完了後、心臓マッサージを再開。次の2分後の解析を待たず、患者の体動と意識の回復を認め無事蘇生に成功。その後、患者は救命センターに入院したが、後遺障害なく治療を継続されているということです。

 また、「BLS/ACLSのプロバイダーコースを受講したきっかけは、内科認定医試験、循環器科専門医試験の申し込みに必要であったからでした。実際に受講してみると、ACLSでは心肺蘇生をチームで行うことを前提としており、まずチームの中での役割分担が明確にされていました。次にアルゴリズムの使用によりチームのメンバーが次に行う事を理解する事ができます。混乱しがちな心肺蘇生の現場において、やるべき事を明確にした上で効率的に効果的な蘇生を行うのに有用でした。

今回幸いだったのは、心肺蘇生の術者の中にACLSのインストラクターが2名いて、リーダーと心臓マッサージを担当していたため他の術者が混乱することなく蘇生を行うことが出来た事です。

今後は、医療従事者で心肺蘇生を施行する立場になる可能性の高い職種はもちろん、まれな職種の方にもBLS/ACLSプロバイダーコースを受講して頂くことを勧めていきたいと思います。」と、BLS/ACLSコースの重要性について語りました。

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